聯合早報 2007年02月07日 ソース(中国語)
日本は米国に対してよりも中国に対して攻撃性を持っている。
日本は2面的な手法をいつも用いる国家である。粗悪な政治家である小泉純一郎は人の目をくらます手段を心得ず、靖国神社の参拝を強調し、軍国主義の魂を呼び戻し、世界各国から非難を浴びた。特に重要なことは、日本がアジアの侵略された近隣諸国である、中国、韓国、北朝鮮、東南アジア諸国等からの強烈な譴責を受けたことであり、その重大な影響は日本のアジア貿易に及び、日本の国連安保理の常任理事国入り失敗を引き起こした。小泉の任期が終わり、安倍晋三が政権をとると、日本政府の反応は正常に戻った。安倍は直ぐに隣国を訪れて指導者と会談を行った。安倍は中国の指導者との会談で、一つの中国の原則を尊重し、歴史を反省し、「日中共同声明」等の3つの文書を中国との交流の際の基礎とすることに同意した。冷え込んだ中日、中韓関係は改善され、政府高官の行き来が増え、政冷経熱の状況はもう過去のものとなった。
しかし、なぜ小泉よりさらに強硬な人が現在こんなに「友好」なのであろうか? 多くの人は安倍の以前の報道を思い出すだろう。2006年8月以前、安倍は東シナ海を訪れ、日本の東シナ海の権益を守るために「中国との一戦もいとわない」等とわめきたてたことがある。安倍はメディアで堂々と中国を何回も攻撃した。靖国神社問題では安倍は、政権を担う前に何回も靖国神社を参拝し、「靖国神社参拝に問題はない」「A級戦犯は日本では犯罪者ではない」等とした。このような安倍晋三が本当の安倍晋三であり、彼の政治観の形成は彼の家庭環境にある。安倍晋三は政治家の家系に生まれ、彼の義祖父である岸信介とその弟の佐藤栄作は首相経験者であり、父の安倍晋太郎は外相、祖父の安倍寛は衆議院議員である。岸信介は日本の有名な鷹派の首相で、安倍晋三が最も尊敬する人物であり、安倍は「成人して、義祖父が進めた安保条約の改正の政治的な意義がわかり、それが私の政治家としての基準となった」と述べている。安倍の性格は非常に強情で、安倍の母は「晋三の政策は義祖父似で、性格は父親譲り」とした。安倍晋三は子どものころから強情な性格であった。3才の時のある日、晋三の父が探し物が見つからずに晋三が無くしたと思い込み、晋三を大声でしかり付けた。晋三は一歩も引かず、父をにらみ続けた。父子は小一時間にらみ続けたが、最終的には父が「投降」した。日本の右翼勢力の内閣での力は増強されており、決して弱まってはいない。つまり、安倍が現在採っている政策は、全て計算されたものであり、日本をアジアのその他の国との交流に道を開き、自己の人気をアップさせ、日本の「常任入り」への票を集め、日本経済に鎮静剤を打ち、米国のメンツを建てる為に行っているのである。安倍は隣国からの不満に囲まれずに軍国主義を推進しているのである。日本の今回の内閣の国際関係の立法は迅速でり、内外政策もさらに実効的で、多くは雲に巻いたような方法をとっている。
これらを証明するのは、日本が2007年1月9日に防衛庁を防衛省に格上げしたことである。これは小泉内閣が成し遂げられなかったことであるが、安倍は僅か半年で成し遂げ、かつ周辺の国の反日の波を引き起こさなかった。これは小泉の時代では考えられなかったことである。小泉内閣では外交がこう着状態であり、行っていることが非常に明らかであり、小さなことでも大きな抗議の声を引き起こしていた。最近日本では、関係法規を改正し、自衛隊が先制攻撃できるように計画をしている。これは日本のいわゆる「平和憲法」における「平和」条項の修正を意図するものであるが、他国はどうにも出来ず、日本は直ぐに実現することになるだろう。日本は最近、台湾海峡の「有事」に介入する声明を出している。
日本の戦略の試金石は台湾海峡問題である。台湾問題において安倍晋三は、「台湾を以って大陸を制する」姿勢を堅持している。岸信介は日本の親台湾派の先駆けである。1957年6月2日、岸は政権について僅か3ヶ月で台湾を訪問し、蒋介石との「共同声明」に署名をし、国民党の大陸への反撃を支持している。岸は何回も、「日本の安全の為には朝鮮と台湾を中国共産党に渡してはいけない」と表明している。1960年、岸信介は国内外の反対を押し切り、米国と新「日米安保条約」を結び、台湾を共同で防衛するとした。安倍晋三は岸信介の「台湾を以って大陸を制する」政治理念を継承し、日本の「親台湾派」と深い関係があり、「日華関係議員懇談会」の重要メンバーである。この組織は現在、日本の国会で党派を超えた最大の親台湾組織であり、日本の対台湾政治の主なチャンネルとなっている。2004年3月、当時゙自民党幹事長で有った安倍晋三は、東京で「陳水扁の再選を祝福」し、「李登輝のように日本を理解しており、世界でもまれな卓越な指導者である」としている。12月には安倍晋三の活動等により、日本政府は中国の強烈な反対を押し切り、李登輝の訪日を許可した。2006年7月に安倍晋三は非公式に中国国民党主席の馬英九と会談した際、米国と日本は中国大陸による台湾への武力攻撃を座して容認することは出来ないとし、「もし日本の周辺で我々の安全を威嚇するならば、日本は米国に対しての支援を提供する。中国の台頭は日本に大きな経済的な利益をもたらしたが、日本人は中国を容認する戦略をとるか、抑制する戦略をとるかを思索し、最終的に後者を選択した。これは日米共同声明で示した最も明確な信号である。」とした。
安倍は右翼勢力の代表の一人に過ぎないが、安倍の存在は日本に土壌が存在することを物語る。安倍が政権に就いたことは、日本ではそのような土壌が環境において主であることである。日本の政界の基礎は民意であり、少なくとも日本国民のかなりの部分はこのような政治環境を支持しているのである。民意は一朝一夕に形成されるものではなく、日本国民の中にはもともと右翼的な政治観点を持つものが多かったことを示している。
日本は台湾の問題に手を伸ばそうと図っている。第一の理由は、日本の海上の生命線を守る為である。日本のエネルギー輸送線は台湾付近を経由しており、大陸が台湾を手に入れれば、中国は日本の「生命線」に対してさらに大きな威嚇となる。第二の理由は、中国が強大になることを抑制することで、自己のアジアの政治経済における覇権を保持する為である。
日本は自己の利益を無視することはなく、日本の政界はこのような観点をもっており、完全に日本が現在世界で行っている外交が「2面的外交」であると言えるのである。日本は隣国に行っているものは形だけであり、日本の本心はそこに無い。
日本の外交戦略は相手国が弱ければ馬鹿にし、強ければ頭を下げて叔父と呼び従うものである。相手国が強大になりつつあると、表面上は友好でも、背中には刀をもっている。1941年12月7日、日本は米国と協議を行っていたにもかかわらず、同時に真珠湾を攻撃したことが証明である。ゆえに、我々は日本が長期にわたって中国に対して「友好」であっても、突然中国に対して戦争を発動することを推測する十分な理由があるのである。日本と中国は国家的な利益が重なる部分が多く、日本の中国に対しての威嚇は、米国のそれよりも大きいのである。米国は比較的広い視野で世界を見て、中米関係を捉え防備を行っているが、日本は単純な地縁的な政治角度で中国が巨大な威嚇だと考えているに過ぎない。
それゆえ、我々は日本の2面的な手法の裏をかいて最大の利益を得なければならない。同時に我々は日本に対する防衛を固め、日本の中国に対する宣戦布告無しの戦争発動に備えなければならない。
勝手に備えてください。
ソースはシンガポールの華僑向け新聞です。中国国外の新聞であり、中共の指導が弱く、中国人の本音が出た記事となっています。「政治家等の一部の右翼分子と善良な国民」の建前を無視し、日本の右傾化は民意であるといった当たり前の分析をしていますね。
米国に対するあこがれ、日本に対する蔑視、台頭する中国、中国に対する抑制、アジアの覇権、キーワードもいつものとおりですね。題名にもなっている2面的(裏表がある、矛盾がある)日本のイメージも中国では常識。まぁ、菊と刀を読み、反日ドラマと宮崎駿のアニメを見て日本を理解する以上、必然でしょう。
小泉前首相も中国人とうまく張り合える「強敵」として中国人から評価が高かったのですが、安倍首相は「人の目をくらます手段を心得ていて」評価がさらに高い状況です。最近の日本の左側のメディアの安倍叩きは尋常ではないレベルですが、それほど中共は怖いのでしょう。靖国の問題がよく注目されますが、それ以上に首相は中共の一番のアキレス腱の台湾問題で決してぶれない姿勢をもってますからね。