ここ2年程、「ネット右翼」と呼ばれるグループが日本で形成されてきている。彼らはパソコンのモニターの後ろに横たわり、感情的な言葉で猛烈に中国や韓国などの近隣を攻撃し、心の中の不満をぶちまけている。この種の特殊なグループの出現は、多くの人の注目を集め、日本社会の主流からは批判を受けている。
すべての歴史を正視する観点に対して攻撃
「ネット右翼」この言葉は、昨年には既に日本のメディアに出現した。日本のNHK、TBS等は特集番組で報道している。今年の5月14日、日本の「毎日新聞」はネットとナショナリズムに関する討論を掲載した。日本の有名なジャーナリストである佐々木俊尚は「日本には"ネット右翼"が存在する。ネット上の掲示板やブログ等で"南京大虐殺は好いことではない"等と記述すると、彼らに猛烈な攻撃を受けることになる」とし、これらの者を「ネット右翼」と呼ぶことを提案した。
各方面の報道を見る限り、日本の「ネット右翼」は対外関係に対しての主張を行っている。彼らの共通の特徴は「ネット上で中国や韓国に対する右翼言論を発表する」ことであり、自己と対立する左翼の観点に関しては徹底的に匿名で攻撃し、相手のサーバーを麻痺させることすらある。
「ネット右翼」の言論が一番多く、一番過激なのは有名な「2ch」である。中国、韓国などの隣国に関する言論は過激であり、日本の侵略の歴史を最も過激に否定している。「2ch」のWebページを開くとすぐに、中国を中傷する各種のスレッドがあり、その中を見ればすべての物がそろっている。
あるメディアが靖国神社参拝に反対をする記事を載せたり、ある記者が日本は歴史を正視し、侵略を反省するべきとの評論を載せると、「2ch」では「売国奴」と罵られ、あくどい攻撃をされる。「毎日新聞」の政治部記者清宮克良が「村山談話」に賛成し、過去の侵略に対して反省と謝罪を表明すると、すぐに過激な批判を浴びる。これらの「ネット右翼」は韓国に対しても敵意十分で、韓国は反日教育をすべきでない等とする。また韓国人とは「相容れない」とする者もいる。
「ネット右翼」はネット上に偽の情報を流し、最悪の影響を与えている。昨年10月、長崎市のプログラマー山本隆博が日本の共同社の名前を盗用し、ヤフージャパンのWebサイトに偽の情報を掲載した。その偽情報は「米国の国防総省が18日、日本の沖縄に中国軍が侵入した」という内容で、共同社米国18日電とされた。偽情報を真に受け、日本のネットユーザーの多くに戦慄が走った。日本の警視庁は著作権侵害と名誉毀損で山本を逮捕した。
負け組みのグループ
「ネット右翼」が日本の多くの民衆の注目を浴びたのは、小倉秀夫弁護士が5月5日の「朝日新聞」に投稿した記事で、「ネット右翼」の現状の分析と暴露を行ったことによる。小倉は、「ネット右翼」を一種の社会現象であるとし、具体的な組織の関与を否定した。「ネット右翼のグループは、一時的な興奮で議論に参加する人により増加しており、言論はますます過激になっている。ネット上の保守掲示板は既に異なる意見に対する寛容をなくしている」と指摘した。
ある30代の自称「ネット右翼」は「朝日新聞」の取材に答え、かつて小説を出版したことがあるが、現在は職がなく、父母と同居し、昼夜が逆転してる生活をしているとした。また、ある関西に住む30代の教師は自分のブログと掲示板で匿名で、朝鮮に対して弱い態度を採る評論家やメディアに対して攻撃をしている。「我々は"左翼"の観点を批判しているが、そもそも発言の場所がなかった。ネットの普及は我々が鬱憤晴らしをする突破口になった」と不満を述べた。
「日本新華僑報」は6月6日、このグループに対するより詳しい分析記事を掲載した。記事によると日本の「ネット右翼」には複数の特徴がある。まず、彼らの活動方式は1960年代の日本の学生運動とは異なっている。彼らは街に出ることも、ビラを配ることもなく、ただネットの奥で自己に陶酔している。次に、彼らは流されている者が緩やかに結合したものであり、信仰も「献身」の熱情もない。彼らを「右翼」と呼ぶべきでなく、「風に流されている」グループといえる。彼らは「嫌左」「嫌中」「嫌韓」であり、ただたんに一種の感情をぶちまけているだけである。ネット右翼の相当の部分は「弱者グループ」であり、彼らは小泉による改革により得る物が無く、日増しに拡大する貧富の差により負け組みに追いやられ、その意識の喪失感を補充する為、「ネット右翼」としてネット上で自由に連想し、鬱憤を晴らし、自分が国家の命運を担った主人公になったような気になっているのである。
「ネット右翼の存在は悲しい現実」
日本の社会の主流は「ネット右翼」に対して基本的に批判的な態度を採っている。記者が取材した複数の日本人は皆、「ネット右翼」のやり方を支持しないとしている。東京に住む30才の女性は記者の取材に対し「ネット右翼が日本に存在することは悲しい現実です」とした。彼女は、この種の現象は日本の若年層が自信を失い、ネット上で反中、反韓等の排他的な言論を行うことにより、自己の存在を証明し、自己が一人の日本人であるとの感じていると指摘した。「だから、私はネット右翼の出現は日本の若年層の自信不足の表現だと思うのです」と続けた。
21才の日本の青年は、日本人の性質により、彼らが匿名の発言を好んでいるとした。日本では一般的に他人と意見を同調する空気があり、「ネット右翼」の多くは他人の受け売りをしているだけであるとする。赤信号皆で渡ればと同じで、他人と同じなら自分も恐くないと考えていると指摘する。
ある専門家は、日本の若年層で貧困者が益々増加しているとし、生活に不安がありネットを通じて生活の不満をぶちまけているとする。小泉が政権をとって以来、日中、日韓の関係が大きく損なわれ、日本が孤立していることが、これらの者の心理を逆上させていると指摘する。また、中国や韓国に対する理解不足、歴史に対する無恥が「ネット右翼」が増加する重要な原因となっている。
その威嚇を強調しすぎるべきでない
日本の「ネット右翼」のWebサイトの数量の確実な統計はまだ出ていない。しかしメディアによると、日本全国の右翼政治団体は900ほどあり、彼らは皆自己のWebサイトを持っており、これらのサイトが「ネット右翼」の主要な拠点となっている。これらのWebサイトでは戦争を美化し、軍国主義の精神を宣伝している。たとえば、靖国神社、特攻隊戦没者慰霊平和記念協会等のサイトや、侵略の歴史の否定を主題とする自由主義史観研究会や新しい歴史教科書をつくる会等のサイトである。
専門家はこれらの「ネット右翼」は客観的に日本の右翼政治家に支持を提供し、中日の民間感情の悪化をおこすだろうとする。しかし、現在の「ネット右翼」は思想レベルに留まっており、大規模な現実的な運動とはなっていない。これは極一部の日本人の感情的な表現であり、その威嚇を強調するべきではないだろう。
駐日本特約記者林梦葉
今年7月に掲載された古い記事です。面白い反日記事が無かったので、ストックから訳してみました。
「ネット右翼」に対するレッテル張りの嵐ですね。具体的な内容で勝負できない場合の印象操作の代表的な方法でしょう。公開されている記事は人民に対する教育用ですから、ネット右翼=一部の右翼団体や政治家に流された低レベル層とし、善良な日本の民衆と分けて中日友好であるといった論調にしてますね。
但し、中共の上層部はここまで日本の世論を読み間違えてはいないでしょう。ネットでは最近、各掲示板等で日本語が不自由な発言が散見されますし、人気の「右翼」ブログに対して目立たせないようにするような工作も見られます。相当気になってはいるのでしょう。
最近、朝鮮総連、部落解放同盟、創価学会といった数年前ならネット上でしか批判できない団体に対する批判や、改憲、核兵器の保持の議論等がメディアで始まっています。ネット、メディア、社会の世論がますます近づいているのでは無いでしょうか。そういえば最近、近くの小学校のクラブ活動で子供達が「日の丸」の演奏をしているのを目撃しました。私が中国に行っていた間に本当に変わったんだなあと感じました。
私がこの記事で気になったのは、「匿名」にこだわっている点です。この種の「ネット右翼」の言論を抹殺するには個々に潰すしかないですからね。きっとこの方向で対日工作をしてくるのだろうと思われます。時既に遅し。成功するとは思いませんが。