作者:孫秀萍 崋亭 李虹
安倍晋三が慰安婦の強制を否定したことによる騒動が未だに収まっていない。既に白髪となった慰安婦達がシドニー等の地でデモを繰り広げ、世界の各国のメディアから次々に日本政府を批判する報道がされている。日本に対してもともと感心のなかった多くの国家、例えばアイルランド、ルーマニア、カタール、グルジア、南アフリカ等でも同様である。これらの批判に対しての日本国内の反撃も強烈である。内閣官房長官の塩崎恭久は3月7日、内外からの圧力により、日本政府が1993年の「河野談話」を継承することを宣言したが、直ぐに一部の右翼政治家が再度検討すべきと騒ぎ出した。
「河野談話」や南京大虐殺の再考証等を要求する騒音が消えることはなく、8日にはなんと安倍本人が自民党に対し、「河野談話の修正の可能性」を検討するように指示している。ある学者は、今回の慰安婦の問題による騒動は、日本の戦後世代の政治家が歴史問題に対して酷い軽視をしているものが暴露されたものであり、これは日本の未来の発展に大きな障害になるであろうと指摘した。
塩崎恭久が矛盾する談話を発表
国際的な慰安婦の騒動は3月7日の日本の内閣官房長官塩崎恭久の談話から始まった。この談話を、世界のメディアはまったく異なった見出しで伝えた。米国のCNN、ロイター等は「日本が1993年の河野の謝罪の堅持を表明」としたが、「シドニー・モーニング・ヘラルド」、アイルランドニュースネット等の多くのメディアの見出しは「日本が慰安婦への再度の謝罪を否定」であった。はたして今回はどのような談話であったのか?日本のTBSテレビによると、塩崎は日本政府が1993年に女性を強制的に慰安婦たことを謝罪した「河野談話」を堅持するとし、同時に安倍の最近の言論に対して、「この立場を変えるものではない」とした。塩崎はまた、この問題を長引かせることは「建設的ではない」とし、「多くの誤解を生じるだけ」等とした。
AP通信は報道の中で、塩崎の今回の「河野談話」を堅持するとの談話は、「中国や韓国による巨大な圧力に迫られて」だとした。中国現代国際関係研究院日本研究所の学者王珊は「環球時報」の記者の取材に答え、日本政府が表面上「河野談話堅持」とするのは、日本の政治には不成文の規則として、過去の政治家による承諾事項を簡単に変えることができない決まりがあり、それゆえ安倍も前任者の政策に背くわけには行かないとした。しかし、安倍の話し方と河野のそれとは大きく異なっており、安倍は歴史の事実を認めない素振りを見せている。つまり、塩崎の談話により安倍政府の慰安婦に対する態度が変わったとは言えず、この政府の慰安婦問題に対する態度が消極的であり、曖昧化することにより内外からの非難をかわす意図があることしか分からないのである。
日本政府の「ニューヨークタイムス」に対する圧力
ここ数日、日本の右翼と保守政治家達は当り散らし、その動きはますます大きくなってきている。日本の駐米大使加藤良三は3月7日、米国下院の慰安婦に関する対日決議に対し、「歴史の事実に一致せず」、日米友好に不利であるとした。加藤はさらに、米国下院外交関係委員会の議長に対し、この決議案を否決するように要求した。共同通信によると、これら一連の外交行為は安倍首相が直接指示したものである。これらの経緯の結果、塩崎も8日、日本政府として米国のメディアの高まる安倍批判に対し、日本政府が「ニューヨークタイムス」等のメディアに対し反論文の掲載を要求したことを明らかにした。
8日の読売新聞の報道によると、一部の自民党議員が日本政府の再度の慰安婦問題に対する調査の提案を行った。この提案では、軍が慰安婦に「強制」を行わなかったことを公開し、河野談話を修正すべきとしている。安倍は8日、河野談話を否定する可能性をにじましている。報道によると、国内外の圧力により、この要求内容も一部修正されている模様である。産経新聞によると、この提案は130名の議員の署名を得て、首相に提出された。
日本の一部のメディアも安倍の「慰安婦を強制していない」とする発言を擁護している。読売新聞は7日の社説で、米国の下院の決議は日本軍が組織的に「慰安婦狩り」を行ったとしているが、日本政府の調査や歴史学者によると、「そのような事実は起きていない」等とし、これらの「曲がった解釈をした決議案」を日本政府は阻止すべしと主張している。産経新聞も同日掲載した論説で日本政府は無実を訴えるべきとし、安倍政府が河野談話を継承したことは、只の「その場限りの」政策であるとした。もしも現在河野談話を全面的に否定すれば、「反日勢力に口実を与え」ることになり、日本政府の対応に「さらなる拡大解釈」がなされ、「反日プロパガンダの材料」にされるとした。この論説ではさらに、中韓米などの国が「日本の国際的なイメージを損なっている」などとし、「日本の名誉を回復するため、時間と忍耐と真相を話す勇気が必要である」等と主張している。
世界の人民は日本を見抜いている
しかし、日本の保守派や右翼がこのような行動をとることは、自己を騙すだけであり、世界においては、既に広範な日本を非難する波が起きている。メディアの見出しを見れば、この事件の主流な見方がわかる。スイスのベルンニュースネットの見出しは「安倍は戦時中の体制で歴史と向き合う」であり、ドイツの「ベルリン日報」の表題は、「教訓のない首相」、米国の「シアトルタイムス」は「安倍が日本民族の誇りの為に恥を誤魔化す」とし、「ロサンゼルスタイムス」は「日本の逃れられない恥辱」と報道している。
3月8日米国の「ニューヨークタイムス」は、「謝罪を拒否され再び傷つく慰安婦」と題した文章を載せ、様様な地区の慰安婦に対しての取材をおこなった。台湾から来た呉恵美(音読)は1940年に23才で、旅館の従業員であったが、台湾の雇用主により日本軍の慰安婦として引き渡された。彼女のほかに15人、同様の女性がいた。呉さんは、一日に20名もの日本軍の軍人の「接待」を強制され、何回も流産をし、その後子どもが出来ない体になった。オーストラリアの84才の女性は、「必要なのは謝罪であり、日本政府からの謝罪であって、個人的な謝罪ではない。政府の謝罪のみが我々の失われた尊厳を取り戻すことができるのです」とした。韓国の高齢の女性は、日本軍により中国へ送られて慰安婦とされ、梅毒を患い、悲惨な生活を経て、日本軍の軍医により子宮を切り取られた。「私は15才で、生ける屍にされてしまった」この韓国の女性と同様に、多くの慰安婦が生育能力を失い、結婚とは無縁の生活を送っている。
米国のインターナショナル・ヘラルド・トリビューンも3月8日に慰安婦への取材の記事を掲載し、カルフォルニア州選出のマイク・ホンダ議員の話を掲載した。ホンダ議員は「安倍首相は抗議をしているお婆さん達がウソをついている等としているが、歴史学者の資料や慰安婦の証言を見れば、彼の反応が人を信用させるものではないことが分かる」とし、第二次大戦中、日本軍の命令により20万人の無垢な女性達が国家により性奴隷となり、輪姦され、卑劣な行為をされたことに疑いはないとした。日本が彼女達への謝罪を拒否したことは、今も残る慰安婦にショックを与えた。
さらに多くのメディアがこれを機会に読者に対し、日本の政治家が避けているこの時代の歴史を説明し、強制された慰安婦が「名前を伏せて生きなければならない悲惨な経歴」を示し、「どのようなドキュメンタリーでもきちんと描くことは困難である」としている。
3月7日、北朝鮮も日本の態度を非難し、北朝鮮外務省の報道官は、日本の指導者が慰安婦の事実を否定することは、「最低限の良心も道徳も無い」ことであり、日本の「軍国主義の復活を示している」とした。オーストラリアも日本の駐シドニー大使館前で国際的に連携された抗議行動を行った。台湾の最高齢の慰安婦の黄呉秀妹妹(91才)は、オランダや韓国から来た慰安婦と共同で声明を発表し、日本が戦争によって残された問題を迅速に解決するように声明を出した。
安倍が鷹派を装った代償
韓国の聯合通信社は8日、「安倍は故意に歴史を歪曲しようとしているのか」とする評論を掲載した。この評論では、安倍晋三が日本軍が慰安婦を強制したかの再調査を指示したことは、安倍に悪い意図があり、河野洋平が1993年に発表した談話を否定しようとしていると考えられるとし、安倍が日本の貪欲な侵略の歴史を故意に歪曲しようとすることは、何の利益も生じないとし、世界の人々の日本に対する態度を硬化させるだけであるとした。
ロイター社は3月8日、安倍が最近この種の言論を繰り返していることは、支持率が低下する中、保守派の支持を得る目的であり、7月の参議院選挙において自身の地位を安泰にしようとしていると分析した。日本経済新聞も同様な観点であり、支持率を高めるために「鷹派に回帰」する戦略を採っているとした。
しかし、このように安倍が鷹派を演じることは、非常に代償が大きいといえる。王珊は本紙記者の取材時に、安倍の今回の言論は周辺の国家を激怒させ、安倍の歴史問題に対する「無知」をさらけ出したとした。安倍の今回の「失言」以前にも、慰安婦の問題は非常に敏感なものであり、安倍は東アジアの政局に対する影響の認識も不足していることをさらけ出している。今回の騒ぎは、安倍が戦後生まれ初の内閣となったことに対する世界の世論の心配を裏付けた。この世代は戦争を経験しておらず、歴史問題に対しての深刻さが無い。王珊は今回の慰安婦の騒動は安倍政府のイメージに影響を与え、安倍が目指す日本の政治大国化の理想にも大きな打撃を与えたと指摘する。歴史に蓋をするとは自身の恥であり、歴史を真実として、周辺国家や国際社会の信用を得ることが日本の将来に有利であることを日本の政治家は認識すべきである。
日本では報道されていないようですが、カナダでも慰安婦問題に対する対日批判決議を画策している模様です。(慰安婦議案は流産か カナダの華僑議員が与党に圧力(中国語))
「世界」で反日プロパガンダを行うには南京よりも「慰安婦」の方でよいのでしょう。「慰安婦」とされる女性が各国に生存し、世界の被害者vs加害者日本という構図ができますし、「女性」を盾にすれば、表立った反論がされにくいでしょう。
ただ日中韓の反日ネットワークによる今回のプロパガンダ、また失敗しているのではないかと私は思います。短期的、局所的には日本のイメージを低下させることが出来ても長期的、大局的にはこの問題による影響は軽微でしょう。既に支持率に一喜一憂しないことを明言し、鷹派に回帰を決めた首相にはいい獲物にすらなるかも知れません。
それどころか、今回の反日活動により、日本の保守側が得るものは非常に大きいのではないかと思います。
かねてから懸念されていた米国の政治やメディアに対する日本の影響力の無さが再認識されていますし、日中韓の反日ネットワークの存在と強さも再確認されています。これらに対する対策は今後強化されてゆくでしょう。日本国内では報道により、今まで「慰安婦」に深い知識が無かった層にまで、どうも「強制」では無かったらしいという認識が広がってきています。河野談話の再検討も開始されました。
私はさらに多くの日本人のあまりに「性善」的な世界の見方を変え、「現実的に」世界を見ることができるチャンスでもあるとすら思っています。
米国も多くの慰安所を持っていましたが、当然それらを省みることもせず、他国を批判しますね。中国はご存知の通り。世界の全ての国がこれらの帝国主義的な国と同様とはいいませんが、日本人のあまりに「性善」的な見方は世界の常識とはかけ離れています。
米国の下院ですが、そもそも彼等は「慰安婦」に対する知識も興味もありませんし、反日ネットワーク側ロビーだらけで反対側の意見を聴く機会すら無いでしょう。仮にこの問題に対する正しい認識をもっている議員がいても、メディアが「日本の性奴隷」と宣伝している以上、それを糾弾することは当然であり、多くの有権者の票を犠牲にしてまで、その正しい認識を主張するはずもありません。もちろん米国の慰安婦問題を穿り出して反省することは決してありません。これが「現実」でしょう。
日本人の世界の常識に対する認識と、世界各国の政治やメディアに対する影響力が強化がされるまで、世界では慰安婦の強制が真実とされ、日本が批判されることになるでしょう。そのことは少しの批判すら恐れ、うまく繕おうとする現在の日本人には良い耐性の訓練にとなるのではないかと思います。世界は批判合戦ですからね。
遠からず慰安婦問題も靖国と同様に、反日ネットワークに対する攻めのカードになることでしょう。
グーグルのブログ検索から
訪問させていただきました♪
見やすくてきれいなサイトですね♪
また訪問させていただきま〜す♪
今話題の慰安婦問題ですね。
私は狭義・広義の問題はとても重要ですし、資料や事実をもとに訴えていけば良いと考えていますがこの課題は日本にとって不利ですね。
というかどの国にとっても不利ですね。
以前に西尾幹二氏の著書で読みましたがナチスドイツなんかはかなり軍が組織に慰安婦を統制していたらしいですね。アメリカなんかも占領時のパンパンガールなんてのがあります。
日本が一方的に攻められる理由なんてない。
しかし日本は昔から情けない位外交が弱いなぁ〜。
他の保守系ブログ様たちも真っ向勝負って感じですね。
なんか私などはしょぼくれてました(笑
長い目でプラスですか!!なんか元気でましたよ!
特亜は半世紀も前のことを持ち出して他国に法案
を通そうなんて本当に異常ですね。
あまり自国関係ないことやっているそのうちその国の人達も変なのがいるのに気が付くかもしれませんね。
向こうがその気なら知財の問題を他のブランド王国と協定結んで法案を国内で通したり、チベット問題とかガンガン世界に訴えていけばいいですね。
こっちの方がよほど現在進行形の問題ですよ。
後マンガ外交ですね!!(笑
占領中に3万件もの強姦被害を出したアメリカが、他国に強姦被害が出ないように配慮した慰安婦システムを糾弾するなんて、ちゃんちゃらおかしいワケですが、日本政府にはこれを機会にご先祖様たちの気概を取り戻して欲しいです。
アメリカの傲慢はもう病気のレベルですね。
まず事実を世界に知ってもらう事から始めるべきでしょう
それで米共和党と共闘できたらいいのですが・・・
アメリカ版「ガセメール問題」として反日ネットワークに打撃を与え、大統領選での共和党のイメージ低下、また「南京問題」にも応用できます
日本としてはアメリカ政権が民主党になるのは避けたいし
特にこれから中国の台頭などを考えると日米関係の強化が絶対必要です
しかし「日本軍=悪」と言うイメージを覆せるかどうか・・・
そこはこれからの情報発信、確固たる主張ができるかどうかにかかってくると思いますが
奇しくも同じ時期に、米国務省報告で「韓国人による売春が蔓延、少数民族を差別」と指摘しているようです。今回の騒動とセットで眺めれば、ほとんどギャグの世界。正義感に燃えるマスゴミが、ベトナム戦争や朝鮮戦争での慰安婦問題に切り込まないのは欺瞞です。
>セットで眺めれば、ほとんどギャグの世界。
>切り込まないのは欺瞞です。
その方↑↓もね。
http://hannichi.seesaa.net/article/17590444.html
at 2006年05月10日 11:40
http://hannichi.seesaa.net/article/17590444.html
http://www.rxhj.net/phpBB2/viewtopic.php?t=14226
主に中国語bbsですが、英語と日本語の投稿も大歓迎です。
皆さんが是非一度も登録しみてください。
つーか、未だに対等の立場に立ってないじゃん。
日本国正常化しないとアメリカの51番目の州と同じ意味だよ、共闘というのは。
>日系は使えねぇなあ、まったく
向こうに忠誠を誓って帰化するんだから、売国奴と見ていいかと。
米国が日本に謝罪する時は既に日本国が滅んでから。
アメリカ政府がハワイ州に謝罪したのって、
米国人がハワイ国でクーデターを起してから、100年後。
慰安婦問題は日本と朝鮮との間での問題だと思うんですがそこに中国人が口を挟んでくる事にとても違和感を感じる。単に日本を貶めたいだけなんですね。
日系は日露戦争のあと日本を敵視し始めたアメリカで同化できない民族として排斥されました。
今のアメリカでは日本人はできるだけコミュニティーを作らず、現地に溶け込んで生活するように気を付けてると思います。
それでも、マイク・ホンダに対しては質問状を出したり、歴史を調べたり、いろいろやってくれてるようです。
今、いちばん大変なのはアメリカにいる日本人と日系の人たちだと思う。
> 歴史を調べたり、いろいろやってくれてるようです(Kさん)
それを伺って、ちょっと安心しました。日系は絶対数も少ないのでしょうし、感情的に大騒ぎしない民族性だけに、中韓のような派手さは期待できなくても、地道な努力がいずれ実ることを願います。マイクホンダのような存在は、逆に大和民族の懐の広さの証なんでしょうかねぇ。笑
>http://www.google.co.jp/search?hl=ja&q=マイク・ホンダ&btnG=Google+検索&lr=lang_ja
その見解には私的に賛同中。
ベトナム語ですか。日本語じゃなくて。
中国語じゃないだけましか。
日本に来たばかりの頃、神戸の大きな書店で「中国古典」と表示されている一角を見つけた。それは目を見張るほどの光景だった。
「論語」「孟子」「荀子」「墨子」「韓非子」「史記」「春秋左史伝」などのタイトルの本が、いかにも気品高くずらりと並んでいるのである。論語に関する本だけでも書棚数段を占めて いる。遠い昔の時代に、わが祖国に生まれた孔子様の思想と心は、数千年の時間と数千キロの距離を超えて、この異国の地に生きていたのだ。まさに驚きと感激の発見であった。
その時はまだ天安門事件の直後だったので、論語を手にとって読もうという気は起こらなかった。しかし、指導教官の指摘から、幼い頃に祖父に叩き込まれた論語の言葉を思い出し、よ うやく石氏は「論語を一度、ちゃんと読んでみよう」と決心したのである。
最初は金谷治や宇野哲人などの碩学の訳釈を頼りに、原文を何回も繰り返して読んだ。そこから徐々に日本の儒学研究の大家たちの「論語論」へと広がっていった。諸橋轍次の『論語三
十講』、吉川浩次郎の『論語のために』、安岡正篤の『論語の活学』など、大学の図書館にある「論語」関係の本をほとんど読んだ。
それは驚嘆と感激の連続であった。日本の研究者たちは、これほどの深さで論語を理解していたのか。論語の言葉一つ一つが、様々な角度からその意味を深く掘り下げられて、平易にして心打たれる表現で解説されていた。
しかも、それらの先生方の論語を語る言葉の一つ一つには、孔子という聖人に対する心からの敬愛と、論語の精神に対する全身全霊の傾倒の念が込められていた。
言ってみれば、わが孔子とわが論語は、まさにこの異国の日本の地において、最大の理解者と敬愛者を得た感じであった。
特に、本場の中国において、孔子と論語が、まるでゴミ屑のように一掃されてしまった、「文化大革命」の時代を体験した私には、この対比はあまりにも強烈なものであった。私に論語の言葉を書き写させた例のノートブックを、 夜一人でひそかに燃やしたわが祖父の姿を思い出す時、隣の文化大国の日本で広く親しまれて敬愛されていることが、孔子様と論語にとってどれほど幸運であるのか、感嘆せずにはいられなかったのである。[1,p151]
■5.「やさしい」日本人に見た「忠恕」の道■
こうして論語を再発見して、改めて日本での生活を省みると、孔子の論語が学問の世界だけでなく、日常生活にも生きていることに石氏は気がついた。
たとえば、孔子の思想の中核をなす「仁」と「如」。「仁」とは「人を愛すること」、「如」とは「まごころによる他人への思いやり」。この二つをあわせれば、それはそのまま日本でいう「やさしい心」になるのではないか。
ところが現代の中国語には、この「やさしい」という日本語にそのままぴったりと当てはまる表現がないことに、石氏は気がついた。
大学で学んでいる頃、同じ四川省出身の女子留学生のCさんから電話があり、中国語で話していた時の事である。彼女は「我覚得他還是一個很ヤサシイ的人(彼はやっぱりやさしい人間であると思う)」と、「やさしい」という所だけ日本語をつかった。そして、石氏も同様に「やさしい」という所だけ日本語を使って、「そうだ。僕も彼はやさしい人間だと思う」と相づちを打った。
中国人同士で中国語で話しているのに、どうして「やさしい」という一カ所だけ日本語を使わなければならないのか。中国の一流学者グループによって編纂された上海商務印書館の『日中 辞典』では「やさしい」という一語の意味を、「善良」「慈悲」「懇切」「温情」「温和」「温順」など10以上の単語を並べて説明している。
しかも、これらの中国語の単語一つ一つは、「もっとも良い人間」を褒め称えるのに用いる最上級の言葉である。それらを10以上も集めて、ようやく日本語の「やさしい」という一つ の言葉の意味を伝えることができるのだ。それほど、現代中国人の社会では「やさしい」人は希なのである。
しかし、日本では「やさしい人間」はどこにでもいる。石氏が出会っただけでも、大学のやさしい先生、ボランティアのやさしいおばさん、学生寮のやさしい管理人、八百屋のやさしいおやじさん、、、
現代中国ですでに死語となっている「仁」と「如」は、今や形を変えて「やさしい」という日本語の中に生きている。そして論語の中でもっとも大切にされている「仁」と「如」の心は、 「やさしい」心として、多くの現代日本人の中で息づいているのである。
「孔子の道」も「論語の精神」も、格別に難しい道ではない。
ごく普通の日本人のように「やさしい心」を持って生きていけばそれで良いのだ。こうして石氏は、自分の祖先の古の道を、日本語と日本人とのつきあいを通じて再発見したのである。
もう一つ、孔子と論語がこの上なく強調しているのが「礼」である。そして、石氏が日本に来て早々、大いに感心したのが日本人の礼儀正しさであった。
さらに、日本語の勉強が進むにつれ、日本語こそまさに「礼譲の国」にもっとも相応しい言葉であることが分かってきた。
中国語では漢方医の祖父の世代までは、たとえば、相手の両親のことを「令尊・令堂」などと尊称を使うが、日本語の敬語はそれだけでなく文法まで規則正しく変えなければならない。
「ご両親は元気ですか」ではダメで、「お元気でいらっしゃいますか」である。逆に自分のことに関しては「ご両親の世話になっている」ではなくて、「ご両親のお世話になっております」 と言わねばならない。石氏は苦労してこうした「尊敬語」や「謙譲語」をマスターした。
今から考えてみれば、結局、私が「礼」というものを学んだのは、まさに日本語の勉強を通してである。
敬語としての日本語から入ることによって、私はいつのまにか、尊敬と謙譲の姿勢をごく自然に身につけることができるようになっていた。
「礼語」としての日本語を学び、それを実生活の中で使いこなしていくことによって、私は知らず知らずのうちに、まさに「礼の心」というものを、自分自身の内面において育てることができたのだった。[1,p159]
■8.儒教の理想は日本で花開いた■
孔子の教えは、古代中国で生まれたが、そこでは根付かなかった。随の時代に導入された科挙制度によって、儒学の知識は官僚になるための国家試験の対象とされ、言わば出世栄達の道具 と化した。さらに毛沢東の文化大革命によって、儒教を含めた中国の伝統思想と文化は根こそぎにされた。
そして、今の中国の大地で生きているわが中国国民こそ、論語の心や儒教の考え方からは、もっとも縁の遠い国民精神の持ち主であると、多くの中国人自身が認めざるを得ない厳然たる現実なのである。
少なくとも、私自身からみれば、世界にも希に見る、最悪の拝金主義にひたすら走りながら、古の伝統とは断絶した精神的貧困の中で、薄っぺらな「愛国主義」に踊らされている、現在のわが中国国民の姿は、まさに目を覆いたく なるような醜いものである。[1,p178]
儒教はその生地では枯渇したが、その種子は日本において花開いた。儒学の思想と精神を受け継いだのは、中江藤樹[a]や石田梅岩[b]などの求道者を輩出した江戸時代の日本である。
そして、その精神は明治の指導者たちに受け継がれ[c]、特に教育勅語に取り入れられて、近代日本の建設の指導的精神となった。
儒教とは、まさに近代日本によって再生され、近代の日本と共に輝いたのである、と言えよう。[1,p177]
そういう意味では、私自身は一人の中国人でありながら、むしろ日本という国と、この国に受け継がれてきた伝統と文化に、親近感と安らぎを感じていて、一種の精神的な同一感を持つようになったわけである。[1,p178]
現代の多くの中国人が、石平氏のように、中国共産党の「反日愛国教育」の欺瞞に気がつき、そして自国の伝統思想・文化に目ざめた時、彼ら自身の理想が結実した日本社会に「精神的
な同一感」を覚えるだろう。それが真の日中友好のスタートとなるのではないか。
日中友好の現実的な選択肢として、有り得ると思うんですが、私は一部反対です。
http://antijapan.blog56.fc2.com/blog-entry-15.html
私は、コカコーラやタバスコやハーシーミルクチョコレートを前にして、いつもマッカーサーに感謝の祈りを捧げます。
>マッカーサー様、あなたのおかげで、私は若くして、あの子と夢のような青い恋ができました。もし、あなたが日本の儒教を破壊してくれなかったら、私も中国人のように20年も童貞で苦しい惨めな思いをしなければならなかったと思うと、ぞっとします。未だにビートルズのコンサートを聴きに行っただけで、補導されたり高校停学になったりしたことでしょう。あの子のみずみずしさを覚えることなく、すれ違ったことでしょう。
あなたから授かった歓びを、あなたの信念に従い、北朝鮮・中国が崩壊したとき、彼らに伝えに行きたいです。それがあなたへの何よりの感謝の印となるでしょう。
崩壊した中国・朝鮮半島に派遣された治安維持軍が、儒教の教えを破壊することで、中国人・朝鮮人は、日本人に子々孫々まで感謝すると信じてやみません。そのとき、彼らは、日帝の性奴や大虐殺の事実性を疑うようになるでしょう。そのとき、私は彼らに対して、昔あなたから受けた御恩を、彼らに引き継がせただけだ、と告げるつもりです。
儒教を破壊して上げないと、彼らが、あまりに可哀想です。儒教を破壊することが、彼らへの何よりの愛です。
もし、この話に心から共鳴できないとしたら、それは、あなたが年齢的限界で、もはや性を歓べないため、これから歓ぶ若い世代を妬んでいるのかもしれません。自分が歓べなかったなら、せめて子孫だけでも歓ばせたい、そのような広い心でありたいものです。早く破壊して上げないと、性を歓べないまま年齢的限界を迎えて、若者の愛の自由を妬んで抑え込もうとする不幸な老人が、また増えてしまいます。急がなければ。
日本人の優しさと、愛の自由を、どうやって調整して伝えるかが、ポイントになりそうです。
こんな話は、ギャグに聞こえるだろうし、ギャグの効能があることは承知していますが、しかしまた反論が難しい命題だと思っています。