まず、当プログの記事から、昨年を少しだけ振り返ってみましょう。
1月 まだ平和でした。日本人男コートがなくなったと言いがかり、北京のレストランで暴れ3人負傷なんて、非常にベーシックな反日記事があったころです。今考えれば中国の反日に対して日本のメディアが報道していなかった時期ですね。
2月 日本人男と結婚をしたい中国女性 その1なんて釣り記事が存在していました。中国国内のネットユーザーの過激な対日書込みが問題になり始めました。在日中国人の犯罪の影響が中国人全体のイメージに影響、排中心情を増長 その1等、日本の対中感情の悪化の原因が日本の特派員から出され、私が政策変更か、ネットに愛国者を牽制する発言相次ぐなんて記事をつくってみたりしました。この頃に中共が適切な手を打っていれば4月のような失態を犯さなかったんですがね。
3月 扶桑社の教科書問題がありました。日本の侵略戦争美化教科書がさらに酷く その1 アサヒビールがまき沿いになり、アサヒビールが日本歪曲教科書に賛助 長春市スーパーが販売拒否 店頭から撤去されます。同時期に安保理の話を盛り上がり始めました。反日を売りにして急成長したポータルサイト捜狐等は反日記事で埋め尽くされることとなります。
4月 反日デモが勃発しました。報道は当然、人民時評:我々はどのように愛国熱情を表現すべきか その1、学者観点: なぜ盲目の日貨排斥はできないのか その1のように火消しの役を演じます。反日記事が姿を消します。日本のメディアがまともに中国の反日を報道し始めました。
5月 とりあえず反日デモの再発を抑えた中共は9月の反ファシズム勝利60周年用の宣伝を開始します。
第二次大戦の中国の貢献 日本軍を勝利の時の為に牽制 その1
6月 反日漫画「論日本」を取り扱いました。反日漫画 論日本 まえがき 結局この本、殆ど売れませんでした。
7月 掲示板投稿日本鬼子よ、なぜ中国を恐れる? その1 取り上げました。また、コスプレ問題が勃発します。コスプレ少女街中で日本の刺客に扮する 民族感情を傷つけるとの意見も
8月 日本の不動産購入団が上海市場にぞくぞくと手を伸ばすなんて報道があり、日経もまだ中国投資を煽っていた頃です。その後大暴落するわけですが。サッカーもありました。もちろん問題が勃発します。日本の記者の場所取り癖 報道センター内で過失を認め謝罪 靖国問題もありました。
小泉の謝罪の「時節に合わせた」疑い 日本は謹んで行動にうつせ その1
9月 反ファシズム云々は面倒なので当ブログはスルーし、自称中高生の悩みを取り上げました。ある中高生の中華民族の明日への憂い その1
10月 中国人の戦争感がわかる「東海自衛反撃戦は弊害よりも利益が大きい」に対する見方や、ロケット発射で自尊心を満たす記事もありました。日本は中国が宇宙大国なったと注意 我が国の宇宙開発と軍事の連動に警戒
11月 トップ女優の映画章子怡はなぜ日本の男の下で寝そべるのか や、中国の男は日本の女を娶るべきでない その1等の劣等感がよくわかる記事がありました。
12月 仕事が忙しく、殆ど更新できなかったのですが、新華社様から「頑張れ」とエールを頂きました。日本右翼の反中HP観察:掲示板で隣国を蔑視 その1
記事を一通りごらんいただければわかりますが、一年を通して中国側の対日政策は多少のブレがあるにせよ、昨年1年間殆ど変っていません。かたくなすぎて変れなかったともいえます。日本側が変りましたね。メディアが中国の反日を報道し、日本国内の対中世論が硬化し、歴史カードである靖国カードがいつのまにか日本側に渡り、親中派の多くが失脚しました。
この日本側を変えた張本人、小泉首相の対中政策に対しては、成功とみる人と失敗とみる人がいるようですね。成功派は「中国にモノを言えるようになった」といった意見、失敗派は「対話ができていない、関係が悪化した」といった意見でしょうか。私自身は、現在の状況を成功でもなく、失敗でもなく、中国との対話への「準備段階」だと思っています。メディアを変え、世論を変え、歴史認識を変え、反対派を失脚させる。小泉首相は昨年中国との対話の準備を行っていたのではないかと。
今年の中国は激動の一年と成りそうです。政治的には日米が「自由・民主」といった一般受けする標語を使い、中国を揺さぶるのではないかと思います。反政府活動も更に激しくなるでしょう。経済的には、中国経済はデフレに突入し、不動産価格の下落と、資金のインド・ベトナム等の周辺国シフトに遭遇するでしょう。社会的には新型インフルエンザの流行と、環境汚染、暴動に見舞われるでしょう。国際的には朝鮮半島の宗主国としての役割を演じるかも知れません。いずれにせよ、かつて経験した事のない状況に対応しなければなりません。
中国は全ての流れが急激です。この流れが一旦変ると一気に崩れ始める可能性があります。20年かかってできたものが5年で崩れるかも知れません。私自身は今年「中国崩壊」といったような急激な変化は起こらないと思っています。ただ、その準備を始めるのではないかと。もっとも、一部の報道と現地の空気から見た素人の勘ぐりですが。
当ブログは今年も今までどおりに中国の反日記事を少しづつ訳していくことで、その中国のダイナミックな動きのほんのほんの一部を提供できたらなと思っております。
本年もよろしくお願い致します。
※明日から記事をUPします