2007年01月31日

2007年は中日の敏感な一年 三大記念日が次々に

環球時報 2007年01月25日 ソース(中国語)


三大記念日が次々に訪れ 中日にとって敏感な一年に

中広網北京1月25日 2007年は中日にとって敏感で重要な年となる。盧溝橋事件70周年、中日国交正常化35周年、「南京大虐殺」70周年のが次々に訪れる。日本の共同通信が21日、中日が2万人以上の相互訪問を行うと報道する一方、日本の「産経新聞」が、中米両国が制作した「南京大虐殺」に関する映画に対し、日本の一部の右翼分子がなんと「南京大虐殺は陰謀」などとした「記録映画」を制作することを準備していることを報じた。中日の上層部の相互訪問が日程に上がり、中日が5年間のこう着状態を経て正常な状態に進もうとしている中、日本国内の一部の右翼分子がわらわらと動き出し、中日関係の改善の流れを抑圧し、安倍に対して靖国神社を参拝し、鷹派に戻るように圧力をかけている。このような複雑な局面の中、中日関係はどのような1年となるのであろうか。

1937年12月13日、日本の侵略軍は中国南京を占領した。日本の中国方面軍司令官の松井石根と第6師団師団長谷寿夫の指揮の元、日本軍は銃殺、生き埋め、刀殺、焼殺などの想像を絶する残酷な方法で、40日間にも渡る血の虐殺を行い、南京において中国の非戦闘員と捕虜30万人を殺害した。大虐殺か終わると、死体の山となった。新華社電

中日交流が盛り上がりを見せてきた

昨年10月の日本の首相安倍の訪中後、中日関係は温まりをみせてきた。靖国神社参拝の問題が影を落として停滞していた中日交流活動も復活し、この流れは政治、経済、文化、軍事の各領域に及んでいる。日本の共同通信「読売新聞」「日本経済新聞」等の主要なメディアは21日、北京に訪問している自民、公明両党の国会対策委員長二階俊博、漆原良夫が、中国国家観光局の邵桧里伐饕未鮃圓ぁ∩佇C�正式に中日国交正常化35周年を記念し、相互に2万人の訪問交流団を組織すると報じた。これらの報道によると、日本側は今年8月〜9月までに北京、上海等の19の都市に数千人規模の訪中団を結成し、青少年の交流や研究会を行う。二階は、中国人旅行者の日本への旅行ビザの手続きの迅速化のため、北京の大使館と、上海、沈陽、広州、重慶の4個所の総領事館に「交流推進統括官」を設置する。中日の間には2006年に400万人の相互の往来があり、今年両国政府はこの数を500万人に増加させる計画である。

これに対し、中国国際旅行社日本部総経理の張国成は「環球時報」の記者に対し、既に中日が今年行う相互訪問団の詳細を明かした。彼によると、中国から日本に迎う訪問団は1人あたり僅か6千元〜8千元で、日本の3つの都市を訪問し、4泊5日の日程となる。

「朝日新聞」は、現在政府与党内では訪中熱が高まっており、その目的は日中関係の温まりを印象付ける為とした。また、昨年12月からことしの3月までに、自民党の元幹事長の加藤紘一、衆議院議長河野洋平、公明党党首太田昭弘などの十数名の政府高官が既に訪中しているか、今後訪中する。また「日本経済新聞」によると、日中は双方の指導者と軍の高官の相互訪問を協議しており、日中の軍艦は8月に相互訪問を行う。

このような中国訪問熱に対し、「朝日新聞」は訪中する高官の話として「日中に各種のチャンネルを作りたい」「与党内部の主流の意見は、日中関係を小泉の時代には戻してはいけないと考えている」とした。

しかし、「産経新聞」は22日、最近の日本政府高官の訪中を「北京への参拝」とし、「中国の意図は"友好を演出"することにより、首相の靖国神社参拝を防ぐこと」とし、「日本政府と政党が中国が設計した道を走ることは、眼下の問題を解決するものの、今後に遺恨を残す」とした。

日本の右翼が南京大虐殺を否定

中日の各方面の交流が盛り上がっているものの、中日関係には非常に多くの不確定要素がある。その中でも両国が、中日国交正常化35周年や、抗日戦争勃発、「南京大虐殺」70周年をどのように記念するかが、最も重要となる。中日両国は「記念文化」の国家であり、どのように理性的に、健康的にこの種の歴史事件を記念するかは、中日関係の一つの試金石となるのである。

1月21日、「産経新聞」は、「米国で制作された"南京"や、中米英等の国が華僑女性作家のアイリス・チャンの"レイプ・オブ・南京"を脚本として合同で制作したその他の映画に対抗する為、日本の保守勢力が"南京の真実"と題したドキュメンタリーを制作し、"南京大虐殺は政治的な陰謀であり捏造である"と主張した」と報道した。

「産経新聞」は日本のCSテレビ局である「日本文化チャンネル桜」の社長で映画監督の水島が、「まったく存在しなかった南京大虐殺を歴史の真実とすることは、絶対に許せない」と話したとした。このような恥知らずはまったくもって驚きである。この監督は非常に「愛国」であり、「もしこれに対抗しなければ、日本の国際的なイメージが悪化する」とした。笑わせるのは、この歴史の歪曲を図ろうとする右翼分子がぬけぬけと「このことが歴史の誤った認識を正す道となることを希望する」等と話していることである。報道によると、このドキュメンタリーの制作委員会は今月24日に成立し、水島は各方面に「資金援助」を求めている。

「産経新聞」は抗日戦争発動70周年を記念し、中、米、英で年内に5部の南京大虐殺のドキュメンタリーと映画が公開されると報道したものの、その内容に関しては触れていない。現在、日本のメディアが最も重視している映画はアメリカ・オンラインの副社長で、ハリウッドの有名な製作者であるテッド・レオンシスの「南京」である。日本の共同通信は21日の特別報道で、南京大虐殺を主題としたドキュメンタリーが20日に既に米国のユタ州で行われたサンダンス映画祭で上映され、正式に公開されたとした。オスカーのドキュメンタリー賞をとったことがあるビル・グッテンタグとダン・スターマンが監督となり、欧米のビジネスマンや宗教関係者が南京市民の為に日本軍からのへ暴行から守るために避難区を作った活動を描いているとした。

そのほかにも「環球時報」の記者が知る限り、現在国内では陸川監督の「南京!南京!」と、周潤発、楊紫瓊、マイヤース、ミッチェルらが出演する中濠合作の「黄金の子供達」の2部の映画が撮影されているか、準備されている。「南京!南京!」では南京大虐殺の歴史全てを題材とする作品となる。「黄金の子供達」は英国の記者ジョージ・ホーグの実話に基づいた内容で、報道を行うために日本軍の捕虜となったホーグが新四軍により解放され、60名の子供達が千里を進み、甘肅にたどり着いた話である。

日本は米国のアジア地区の歴史観への影響を狙う

「産経新聞」はさらに、「水島は自らも出演するドキュメンタリーを今年の夏に制作予定であり、南京攻略70周年にあたる12月に世界での発表を計画している」とした。ある分析によると、日本の右翼がこの歴史を歪曲した映画を制作する目的は西側国家、特に米国のアジアに対する歴史観に対する影響の為である。昨年米国の多くの主要メディアが小泉の靖国神社参拝や日本国内の誤った戦争観や歴史観に対する批判を行い、米国下院の国際関係委員会の前委員長ハイドが小泉と日本の右翼に対してまったく遠慮なしに批判をおこなった。もしも、米国の主流メディアやハイドの批判の影響が一部の知識階級に対するものであるとしても、ハリウッドの第二次大戦時のアジアへの関心の高まりは、米国の大衆にあの時代の「米国から遠く離れた」歴史を理解させ、日本の「国際的なイメージ」に影響を与えることになるだろう。最近ハリウッドでは、「The Great Raid」、「Wind Talkers」、「父親たちの星条旗」等の第二次大戦のアジアの戦場での映画が制作されており、「南京」の出現は日本の右翼ののど元に突き刺さる史実のドキュメンタリーとなったのである。この種の映画による日本の「国際的なイメージ」のマイナスの影響を減らす為、日本も「男たちの大和」等の映画と制作し、各種の方法で広め、外の世界に対して第二次大戦時の日本の侵略者のイメージを変えようと図った。日本のある業界関係者は「環球時報」の記者に対し、日本が撮影したこれらの映画では、単独の人物に焦点を合わせ、感情に訴える方法で観客の涙を誘い、見終わわった後に「かわいそう」と思わせるようにしている一方、戦争の背景等の大きな主題には触れず、戦争の性質や責任をあいまいにしていると指摘する。

これに対し、最近南京大虐殺のドキュメンタリーである「Rape of Nanking(Nightmare in Nanking)」を制作した米国人ジョセフは、米国の歴史教科書では当時の中国の戦場の状況が数行記されているだけであり、多くの米国人は南京大虐殺を知らないとし、彼もこの歴史を偶然知ったと言う。ジョセフは、第二次大戦の期間に中国人が受けた迫害はユダヤ人が受けたものと同様であり、ユダヤ人がナチスに受けた迫害は世界中が知っており、関係の題材の映画が100部も制作されているにもかかわらず、南京大虐殺は「あたかも無かったような」扱いを受けている。その一つの重要な原因は、ユダヤ人が世界中のメディア、特に米国のメディアをうまく利用している一方、中国の世界のメディアとの連携が少なく、南京大虐殺の真相の「宣伝効果」が芳しくないと指摘する。

中国が記念するのは仇の為ではない

中国社会科学院日本研究所の金煕徳は「環球時報」の記者の取材に答え、日本のごく一部の右翼勢力は常に騒動を起こしているが、中日関係が改善の道を進んでいる大きな背景の元、日本の右翼勢力がその流れに逆らい、南京大虐殺を否定するドキュメンタリーを制作することは、非常に驚きであるとし、日本の右翼が再度歴史を否定する波を起こそうと謀っていることは、実際には日本の右翼の醜い目的を明らかにするだけであり、日本の国際的なイメージを傷つけるだけであると指摘した。

金煕徳は日本の右翼に対して、警戒するとともに、歴史研究を重視し、「道理があり利益があり節度がある」反撃を食らわすべきとし、このことは、右翼分子を孤立させるだけでなく、日本の友好勢力にも有利に働くとする。

金煕徳は、今年が中日両国にとって最も重要な一年になるとし、5年間のこう着状態を打破した大きな流れの中、中日関係は既に改善の道を歩んでいるとする。今年は盧溝橋事件70周年、南京大虐殺70周年、中日国交正常化35周年の重要な年である。中日両国の関係の発展は、歴史問題を真剣に総括することであり、特に日本側の中国への侵略戦争、中国の抗日戦争などの歴史の事実の基本認識が重要である。さも無くば、中日の健康的な関係の発展は望めない。現在、誤った歴史観が日本で広まっており、日本の右翼勢力の影響力は小さくない。彼らは歴史の否定を騒ぎ立てることを基礎として、新たな中日関係を画策している。このようなことから、これらの「記念」活動は両国で統一して行うことがのぞまれる。さもなくば日本の右翼勢力に利用されるであろう。

金煕徳は、中日は共同で「記念」活動を実施できるとする。日本は中国の記念活動は日本への憎しみを喚起するものではなく、中国が日本人民への憎しみを扇動しているわけでもなく、現在の日本人に対して「償え」と言っているわけではないことを理解すべきである。記念活動は日本がなぜ軍国主義の道を歩み、中国への侵略を行ったのか等の歴史を総括する為であり、歴史の記念と総括をもって、歴史が繰り返すことを避けることを目的とする。

金煕徳は、今年、中日関係が改善の軌道に乗り、高官の相互訪問だけでなく、民間や軍事的な交流も予定されており、日本側も引き続き中日関係の継続的な発展を基調としており、全体から看れば、中日関係は比較的楽観できるとする。しかし、一部の基本的な問題において、未だに意見の相違が存在しており、日本が故意に挑発する可能性も存在する。中日関係の発展は順風満帆とはいえないが、ともに一歩一歩障害を除いて行くことが重要である。

かなり長い記事ですのでコメントは短めに。

お約束の流れですね。お約束の人物も沢山でてきます。最後は最近はやりの友好です。都合の悪い部分はカット。「父親たちの星条旗」は出てきても、セットのもう一つの映画は出てきてませんね。

「南京の真実」はやっと動き始めたなとの感想です。制作メンバーにも期待がもてそうです。「プロパガンダ合戦」の小さな一歩ですが、大きな一歩でしょう。

記事内で太線で強調していますが、中国人とこの手の「話し合い」をする際の簡単なポイントを2点ほど。

第1点は「他人(特に欧米)の活用」を積極的に行うこと。中国は南京大虐殺創作時点から欧米人と欧米メディアをフル活用していますよね。
第2点は「大きな主題」を使うこと。南京や先の戦争にとどまらず、「虐殺」「独裁」等で絡めて大きな話でレッテル張りをして打撃を与えることです。

欧米に対する発言力では、メディアでもネットでも豊富な資金を使い相当数の工作員を配置していると見られる中国側が現在は優勢でしょうが、この優勢が長続きするとは思えません。なんせ、隣の島国では自発的な優秀な工作員がネットにわらわらと増加してますからね。

何回も指摘していますが、中共さん、靖国の失敗を踏まえ、南京もあまり調子に乗らないほうがいいと思いますよ。


posted by 元祖うぷぷ at 23:24| Comment(13) | TrackBack(0) | 反日記事(政治日中関係) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月20日

安倍外交により殺傷力が強化 中国は対応できず泣き寝入り

新快報 2006年01月18日 ソース(中国語)


日本の首相安倍晋三は12日、欧州の4カ国の訪問を終え、直接フィリピンのセブ島で開かれている東アジアサミットに参加した。安倍は昨年の9月の首相就任以来、小泉純一郎の対米一辺倒の外交路線を調整している。本日は安倍外交の新思想を明らかにしよう。

策略から看るに、安倍の外交思想は三点にまとめられる。第一に、中国との関係を落ち着かせ、中国を利用している。第二に、アジア太平洋地区に日本、インド、オーストラリアを軸とした「アーチ型の民主圏(訳者注 自由と繁栄の弧と思われる)」を確立し、同時に欧州と政治や人権の価値観で連携を取っている。第三に、日米の政治関係の重要度を落とす一方、日米の軍事同盟を強化している。第四に、
引き続き「常任理事国入り」を模索し、本当の政治大国になろうとしている。

上記で思想で共通することは、中国を抑制しようとしていることである。小泉の強硬な姿勢と違うが、安倍は柔らかさの中に硬いものがあり、さらに殺傷力が強いと言える。

安倍が首相に就任後の初めての外国訪問先は中国であり、これは日本が日中関係において主導権を取ったことを意味する。安倍の積極策に対し、中国側は対応が追いついていない。笑っている相手に手を出すことは出来ない。安倍は歴史問題に対して明確な態度を示していないにもかかわらず、双方の関係は緩和する流れとなっている。

安倍はこの一手により、コストをかけずに利益を稼いだ。対中関係が改善すると、国内での支持率も上昇し、閣僚のスキャンダルも乗り切った。国際世論では、日本が積極的に手を差し出したことがよい評価となった。フランスの大統領シラクは安倍との会見で、安倍が日中関係の改善のために努力していることを賞賛した。さらに実質的な作用として、安倍は、中国との関係を落ち着かせてから、中国との関係が強い内外交政策での大きな動きを見せた。

内政においては、防衛庁を防衛省に格上げし、日本の軍事力は制度や組織において縄が解かれ、重要な段階となった。教育基本法を改正し、日本社会全体の歴史認識を後退させる基盤が整備された。

外交上、日本は朝鮮の核実験を利用し、国連に朝鮮に対する制裁を働きかけ、朝鮮の生存空間を狭めた。日本は新たに態勢を立て直し、再度「常任理事国入り」を模索している。

安倍政権は、日中関係がまさに改善しているとする国内や国際的な空気を故意に作り出し、このチャンスを使い、中国に対する国防、外交包囲を強め、政治的にも軍事的にも中国を抑制を意図している。

具体的な手段として、安倍は日増しに高まる中国威嚇論を利用し、東南アジアと中国の分断を図っている。最近二回の東アジアサミットでは、中国は主に「経済カード」を使用したが、日本は中国と経済の主導権を争うと同時に、ASEANのシンガポールやフィリピンを丸め込み、中国に疑念を抱かせ、米国と軍事同盟を結んでいる国家である、インド、オーストラリア、ニュージーランドを参加させるように画策し、米国無しでの力量の均衡を図った。

非常に心配なことは、「中日友好」等と口先では言うが、安倍は冷徹に「自己を中心」とする思想を持ち、中国を不快にさせ、台湾海峡の軍事バランスの変化への懸念から、公然とEUに対して対中武器輸出に手を伸ばしている。安倍にとって「中日友好」は只の手段なのである。

ソースは広東の新聞です。広東のメディアは全体的に反北京の傾向がありますが、この記事もそのような空気がありますかね。ちなみにソースの新快報は広東のエリート向けの新聞で、日本関係の記事は大陸のメディアにしては比較的まともです。

鏡をプレゼントしたい気持ちになる部分が何箇所かありますが、中国人らしい現実的な分析でしょう。中国側にしてみれば、最近の安倍政権の政策はストレスがたまりっぱなしでしょうが、「中日友好」に舵を切った以上、耐えるしかないのでしょう。ぶれると中国国内での権力争いでまた不安定になりますからね。
posted by 元祖うぷぷ at 22:03| Comment(21) | TrackBack(0) | 反日記事(政治日中関係) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月14日

中国人の誤解した世界 韓国人は愛国心から日貨を購入しない

新華網 2006年01月08日 ソース(中国語)


[概略]わが国民は「世界が中国を誤解している」と義憤で胸がいっぱいになるが、我々は自分自身が世界を誤解していることに無頓着である。たとえば、イラン人は米国を死ぬほど憎んでいる、韓国人は愛国心から日貨を購入しない、イスラエル人は皆中国に感謝の心を持っている、インドは中国よりはるかに遅れている、ロシアは米国に対抗している等である。我々が外国に対して抱いている常識と事実はまったく異なるのである。

中国人の誤解した世界

200年前、中国の近代思想の先駆者である魏源は「夷の長技を師とし以て夷を制す」とし、「目を開けて世界を見ろ」と主張した。200年後、我々は中国的な視野で中国の立場を前提とし、未だに世界に対しての客観的で理性的な認識を必要としている

「我々が世界を誤解しているのに、世界が我々を騙している等と言う」ラビンドラナート・タゴールの指摘は、今の中国でも特殊な意義を持つ。「世界が中国を誤解している」と義憤で胸がいっぱいになるが、我々は自分自身が世界を誤解していることに無頓着なのである。

誤解1 イラン人は米国を死ぬほど憎んでいる(省略)

誤解2 韓国人は愛国心から日貨を購入しない

[よくみられる誤解] 国内の多くのメディアは韓国に対しての報道において、自らの好む角度でのみ取り上げ、韓国人を民族感情と深く結びついた「政治動物」である為、韓国の国民が日貨を購入しないとし、日本に抗議する為に指を詰めることを厭わないことをもって、その証拠とする。

ソウル駐在国際先駆導報特約記者元涛報道

韓国に付くと私はある教授に尋ねた。韓国はなぜ日本車が少ないのか? 教授は軽く驚き、なぜそれが問題なのかと答えた。私も驚いた。なぜ問題ではないのか? この後、私はこの質問がまったく意味のないものであることに気が付いた。韓国の友人に「どうして豆角(中国のインゲン豆)を食べないのか?」と聞くようなもので、彼らは答えるすべがないのである。

国産品の購入は愛国と無関係

韓国人が日本車を購入しない理由に関しての我々の理解と、実際の状況は異なっている。韓国人によると、韓国車は品質がよく、サービスがよく、価格も高くなく、韓国車を買うことは普通のことであり、愛国とは無関係である。もしも逆に、韓国車に問題が多く、価格が高ければ、愛国のスローガンを叫ぼうが誰も購入しないだろう。その教授は、中国のメディアは韓国人がいかに愛国的で、韓国の製品しか買わない等と宣伝をするが、これは、中国人が自己の観念で韓国人を解説したものであり、韓国人はそんなに政治化していないとする。このロジックでは、韓国人が韓国車を運転すれば愛国で、韓国の大統領が米国産の専用機に乗れば愛国ではなくなってしまう。

最近、私はバスに乗り江源道の友人に会いに行く途中、農民によるデモに遭遇し、丸一日車に閉じ込められた。テレビのニュースによると、これらの農民は韓米自由貿易協定に対して抗議をしているという。彼らは本当にすべて農民なのか? 違う。彼らの一部は専門の人員であり、各団体が雇用し、デモ活動の際の主力な戦力となっている。香港でWTOへのデモを行ったのも彼らであり、小泉純一郎の靖国神社参拝に抗議をして指を詰めたのも彼らである。

農民はもちろん自由貿易協定に反対であるが、それは利益を考慮してのことである。米国の安い米が次々に輸入されれば、農民にとって死活問題だからである。しかし、私と一緒にバスに閉じ込められた韓国人にとっては、農民の行動は迷惑なだけであり、安い米が食べられることは良いことなのである。利益が分化し、立場が違う。まさしくこれが本当の韓国なのである。

利益をいつも忘れるな

韓国のスーパーで米売り場では、米袋に「身土不二」という印刷がされている。これは地元産のもので、価格が若干高い。しかし彼らは「愛国米」として選んでいるわけではなく、健康に良いからと購入している。身土不二の意味は、体とこの土地は分けられるものではなく、健康的な生活により有利であるという意味である。どうして分けられないのか? 自分の土地の米、野菜、肉を食べることは、東アジアの国家での素朴な飲食の哲学であり、昔から民間に広がるものなのである。

韓国の新聞の一面は、靖国神社参拝問題ではない。2005年の韓国の対日貿易赤字が227億ドルに達したというニュースである。これに対して韓国の青年は義憤で胸がいっぱいになるわけではなく、恥ずかしいと考える。技術で勝てず、多くの電子製品の核心部品を輸入に頼っている。恥ずかしい。彼らは鬱憤晴らしで徒労無益で口先だけの白話で日貨排斥を叫ぶことはない。自分の経営する酒場に「日本人と犬の入店不可」と書くこともない。韓国人はこの問題で悩むこともない。韓国人はペ・ヨンジュンや東方神起がさらに魅力を高め、日本中のセレブや女優が次々に韓国に旅行をすればよいと思っているのである。

我々の一般的な印象では、日本人がちょっとした問題を起こせば、中韓が連携をして声をあげる。これは良いことである。しかし、我々が忘れてはいけないことは、韓国は我々声を荒げていると同時に、絶えず利益を追求していることである。国際的な交流において、利益をいつも忘れてはいけない。韓国ではタクシードライバーですらこの点を理解している。彼らは日本の観光客に対して、他よりも丁寧に応対するのである。

誤解3 イスラエル人は皆中国に感謝の心を持っている(省略)
誤解4 インドは中国よりはるかに遅れている(省略)
誤解5 ロシアは米国に対抗している(省略)


中国人の世界に対する誤解との記事ですが、事実上、訳出した「誤解2」の韓国の例を使って行き過ぎた反日を押さえ込むことを主要とした記事です。付属の掲示板の反応もこの「誤解2」に対する反応ばかりです。

そもそも、極端な自国中心の教育を受け、出鱈目な報道に浸かり、簡単に国外に出れない人民の愛国心に対して「鬱憤晴らしで徒労無益で口先だけの白話」をしていると批判するのはあまりにも可哀想な気もします。

この記事では200年前の魏源を使って「客観的」になることの重要性を指摘しています。これは中国人にしてはよい指摘です。国際問題にとどまらず、中国人は「客観的」に物事を見れない傾向が非常に強くあります。つまりあまりに「主観的」なのですね。主観的な行動は、うまく回っていけばよいのですが、うまく回らなく成った瞬間、一気に崩れますから。

ちなみに、誤解3の「イスラエル人は皆中国に感謝の心を持っている」ですが、第2次大戦時に上海でユダヤ人をかくまったことを、イスラエルの多くの人が感謝していると中国人は考えていることは誤解であると指摘しています。
posted by 元祖うぷぷ at 13:30| Comment(7) | TrackBack(2) | 反日記事(政治日中関係) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月06日

日本史学界の不理性を非難する


華西都市報 2006年12月27日 ソース(中国語)


あるメディアの指摘によると、今回の日本側の学者の多くは日本政府の観点に近い人物であり、筆者は今回の両政府主導の共同研究の前景を楽観していない。しかし「歴史研究分野に侵略者が参加する権利はない」といった有無を言わさない観点に関しては、同意出来ない。

日本の歴史教科書問題は、双方が注目する敏感な話題のひとつであり、1950年代から日本国内でも大きな論争を引き起こしている。東京教育大学(現筑波大学)教授の家永三郎の3度に及ぶ教科書訴訟が最も有名である。これは32年にも及ぶ長い訴訟で、1997年8月に、日本の最高裁判所は文部省の行為が違法であると認め、「南京大虐殺」の文字が20年ぶりに教科書に復活したのである。この運動は、日本の民間の歴史学者が主要な推進者となった。

日本の歴史教科書問題の表面的な問題は、文部省の「検定制度」であるが、その根源の問題は第二次大戦後のマッカーサーによる統治時期にさかのぼる。マッカーサーは、日本の財閥を解散させず、左翼の社会党を抑圧する為に自由民主党を組織した。自民党と財閥のメンバーは戦前の執政勢力であり、切っても切れない関係であり、皇国史観の影響を深く受けている。まさしくこれらの勢力により、民間の教科書の選定に対する権力による干渉が意図されたのである。この後20〜30年にわたり中国等のアジアの国家は、日本の現在よりも問題が大きい歴史教科書問題に沈黙し、影響力を行使する最もよいチャンスを逃した。この後、新たな世代の日本人が育ち、問題がさらに面倒になったのである。日本の右翼は1997年の「家永」の挫折後、策略を変更し、扶桑社による歴史教科書を制作した。しかし、学会、教師、市民の強烈な反対により、その採用率は0.5%にも届いていない。

特に指摘すべき点は、日本の大学は明治維新後に西側の大学のスタイルで設立されたものであることである。日本の学術は自由であり、学者には独立性があり、それらはアジアの中でも非常に高いレベルにある。日本の右翼の穏健派の多くは、南京大虐殺、731部隊、慰安婦等の歴史の事実を認めており、「南京大虐殺は嘘」等とがなりたてるものは、こぐ少数の極右の狂人に過ぎない。

中日両国はアジアの大国であり、2つの大国がいがみあうことによる利益は何もない。中日両国は善意で接するべきであり、まずは近現代史を解決することが望まれる。そのためには、理性的な史実に基づいた態度が必要となる。我々は日本の歴史問題における間違った認識に対して断固として反対をするが、我々も日本の史学会に対して理性的な態度を取り、有無を言わせずに非難することは良い闘争の策略とは言えないのである。(中国青年報)

遅くなりましたが、本年もよろしくお願いいたします。
更新が異様に少なくなっていますが、今年はもっと精力的に訳したい思っています。(年初の目標)

今年の中共、日中国交正常化35周年や、指導者の訪日で友好ムードを演出したいのでしょうが、南京大虐殺70年記念等の波乱要因が沢山ありますね。ほとんど知られていませんが2007日本中華年なんてイベントもあります。

米国では大統領選を来年に控え、中国への様様なバッシングが増えるでしょうし、日本では参議院選を控え、支持率が下落傾向の「穏健派右翼」の首相の対外姿勢にも変化が見られるでしょう。経済的にも北京オリンピック後のバブル崩壊を目指した投機マネーが最後の活躍を見せることになるでしょう。

まぁ、いずれにせよ精一杯頑張って、ネタを提供して頂きたいものです。

さて、今日の記事ですが、胡錦涛系の中国青年報からです。中国側にも自制を求めるなど、かつてに比べれば幾分「理性的」になってますかね。日本の右傾化を踏まえ、右翼を「穏健派」と「極右の狂人」に分けて後者のみを敵視する手法は、初めてではないでしょうか。色々考えるものです。

理性的になっているとは言え、中国側が「闘争」ではなく、「理性的な史実に基づいた態度」で歴史を見れるようになるには程遠いようなきがしますが。
posted by 元祖うぷぷ at 14:13| Comment(12) | TrackBack(0) | 反日記事(政治歴史) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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