本紙特約記者 路虎
中国とインドの近年の経済の高度成長は、すでに経済学会の熱いテーマとなっている。最近、米国経済戦略研究所の所長クライド・プレストウィッツが新しい本「30億の新資本家:財富と権力は東方に大移転する」のなかで、中国とインドがいつか米国を抜くことの各種要因を解説した。
プレストウィッツは経済戦略研究所成立の前にすでに政府の貿易官僚を経験し、米国と中国、日本、ラテンアメリカ、欧州などの貿易交渉に参加した。彼はすでに多くのヒット本を執筆している。
米国はあまりにおごり高ぶり独りよがり
プレストウィッツは中国とインドの主な優勢は高い技能と安い労働力にあるが、これだけが特徴であり、米国の威嚇になることはないとする。彼は、この種の高い技能、低いコストの結合はインターネットとグローバルな物流が同時によってなされたとする。インターネットと物流は時間と空間の隔絶を無くした。以前ははこれらの国家は高技能と低いコストを有していたものの、外界との輸送サービス、時間の障壁にがあったのである。現在、インターネットを通じてグローバルに情報が伝えられ、数秒の時間を使うだけなのである。
このような状況において、米国は自己満足に陥り、経済のグローバル化の新情勢に対して必要な態度、処置をとらなかったのである。
プレストウィッツは米国は長期に渡って世界経済で主導的な地位を占め、自然と一種の優越感に浸るようになった。多くの米国人は米国の民主体制、自由市場経済、企業精神は米国がもっているものであり、一番優秀な体制であり、このような体制により米国がグローバル経済の中で勝ち続け、負けないことを堅く信じている。しかし、実際のところ、これらの優越感はあきらかに米国を自殺へと向かわせているのである。例を挙げれば、米国の初等教育水準は決して高くなく、大学の理学博士の学位は半数以上が外国籍の学生によって占められている。これは、米国の学生が不合格になるからである。さらに重要なことは、米国は財政赤字があまりにも高く、国家の貯蓄はほとんど0に近いことである。
この他にも、米国は外国からの借り入れに頼っており、特に中国に頼っていることがある。米国も基礎、施設、科学技術に投入する資金が足りないわけではない。インターネットは米国の発明である。しかし、ブロードバンド率は米国は世界16位なのである。
30年後中国は米国を追い抜き、50年後インドは中国を追い抜く
プレストウィッツは、中国、インドであれ、日本、シンガポールであれ、その政策制定者が考慮するのは、どのように自己の国家が20年後に強靭な競争力を保持し続けているかということである。唯一米国のみこのようには考えない。プレストウィッツは中国は30年から35年の間に米国を追い抜き、世界上で一番経済規模の大きな国家になると予測した。さらにインドは50年後には中国を追い抜くとした。
彼曰く、「これはトランプのブリッジと同じ。との国家のカードがよいかを聞けば、当然米国である。米国はまだ最新の技術もち、最もよい高等学府をもち、安定的な透明な体制があり、民衆の教育水準は高く、起業文化もあり多くの優勢がある。しかし、ゲームに参加している人はみな知っている、自分の手持ちのカードがよくとも、出すカードを間違えれば、結局は負ける。現在の米国はまさにこのような状況なのである。」
定期的にこの種の「米国を追い抜く!!」記事が出てきます。まぁ、それが夢なんでしょうからね。
プレストウィッツ氏はかつての80年代のジャパンバッシングで名をはせた保守系の論客であり、最近も「ならずもの国家アメリカ」という本を出しています。ネオコンではなく、比較的保守系の主流に当たる人だと思います。この本を出版した目的の一つはチャイナバッシングの準備ですかね。
アメリカのならずものぶりは世界的に険悪されてますが、日本で比較的その度合が低いのではないでしょうか。直ぐ隣にもっとならずもの国家があるのもその理由の一つかも知れませんが。
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